27 学芸員さんになって、美術館の展示を体験しよう!
「五島美術館」は、展覧会を年間6~7回開催し、優品展では、さまざまな館蔵品を紹介しています。今回は、学芸員のお仕事を体験するプログラムを開催。子どもたちは、学芸員さんと一緒に古美術の取り扱い方を学び、作品の展示に挑戦しました。

- 日時
- 2024年12月22日(日)13:30~15:30
- 会場
- 五島美術館
- 最寄駅
- 大井町線上野毛駅
- 主な内容
- 美術館の学芸員体験
- 募集人数
- 3組6名(小学校4~6年生のみ対象)
学芸員のお仕事と美術品の扱い方を学ぼう

学芸員のお仕事と美術品の扱い方を学ぼう
本日、子どもたちが挑戦するのは、掛け軸と茶碗の展示体験です。最初に、学芸員の仕事について説明がありました。美術品の状態確認や修復の見極めだけでなく、素材や用途、所有者の歴史を調べる研究などが学芸員の重要な役割です。そして、その研究結果を多くの人に伝えるため、展示を通じて広く紹介することも大切だと教わりました。
また、美術品には世界に一つだけのものや非常に古い物も多く、特に慎重な扱いが求められます。「肩の力を抜いて、優しく丁寧に作業を進めること。急がないことが鉄則です」と、注意点をしっかりと教えてもらいました。
緊張感いっぱい! 掛け軸と茶碗の取り扱いに挑戦


続いては、いよいよ子どもたちが美術品を扱います。掛け軸を箱から取り出す際には、持ち上げたらすぐに下へ手を添えて支えることが大切だと教わりました。広げる際も傷付けないよう注意し、学芸員さんに手伝ってもらいながら展示を完了。子どもたちはほっとした表情を浮かべます。
さらに、茶碗の取り扱いにも挑戦。高く持ち上げすぎないよう、移動させる際には両肘をついて慎重に作業します。箱から取り出した後、欠けや割れがないかを確認する子どもたちの目は真剣そのもの。優しく丁寧に作業を終えると笑顔が広がり、和やかな雰囲気に包まれました。
自由な発想で美術品展示を完成させよう!


次は展示体験です。美術品の展示で大切なのは、作品の魅力を見つけて、その部分を引き立てて見せること。掛け軸や茶碗の位置を調整するだけでなく、さまざまな形の台座や敷き布も使い、子どもたちは自由な発想で展示を完成させていきます。「掛け軸が目立つように茶碗を置こう」「シンプルな展示で作品を際立たせたい」といったアイデアに、学芸員も感心しきり。展示に説明を書き添えて、スポットライトを当てたら完成です。
最後に「未来の学芸員認定証」を受け取り、本日の体験は終了。美術品鑑賞のヒントを得て、日本の伝統文化に対する関心がさらに高まったようです。
参加してくれた
子どもたちの声
参加してくれた
ご家族の声
担当者の声

学芸員という仕事や、古美術を未来に受け継ぐ大切さを知ってほしいという思いで、このプログラムを企画しました。慣れない作業に緊張しながらも、美術品を丁寧に扱い、その魅力を伝えるため真剣に取り組むお子さまの姿が印象的でした。古い物を大切にする気持ちや、自分の感じたことを大切にする姿勢が育まれたのではないかと感じます。この体験を通じて、美術館を身近に感じ、また訪れてもらえたらうれしいです。
(五島美術館 学芸員 下山)