五島美術館

文化
五島美術館

photo by Shigeo Ogawa

文化・芸術の発信を通した社会貢献活動

公益財団法人 五島美術館は「五島美術館」と「大東急記念文庫」の二つの事業を行っています。
「五島美術館」では国宝「源氏物語絵巻」「紫式部日記絵巻」をはじめ、絵画、書跡、茶道具、陶磁器、古鏡、刀剣、文房具など幅広い分野にわたる国宝5件、重要文化財50件を含む約5,000件の美術品を収蔵しています。
貴重な文化財を守り次代へと受け継ぎながら、年間7回(うち特別展1~2回)の展覧会を開催するとともに、学芸員によるギャラリートークや美術講座などを通じた普及活動にも力を入れています。
また、「大東急記念文庫」では「久原文庫」と「井上文庫」を中心とした日本・東洋の貴重な古典籍等を所蔵。総数は、国宝3件、重要文化財33件を含む約2万5千冊にのぼり、日本有数の特殊文庫として、国内外のさまざまな分野の研究者の教育・研究活動に貢献しています。

詳しくは五島美術館ホームページへ
茶に親しむ五島慶太

茶に親しむ五島慶太

歴史・背景

五島美術館は、1960(昭和35)年に、私立(財団法人)の美術館として世田谷区上野毛に開館しました。
美術館設立の構想は五島慶太によるもので、彼の邸宅の庭園の一部を寄贈し建設されました。
慶太は、鉄道事業の関係から関西へ赴くことが多く、その出張時に古寺や古刹を巡ることを楽しみにしていました。なかでも奈良時代の古写経に心惹かれ、さらに書や茶道へも興味を広げました。半生をかけて貴重な古美術品の数々を蒐集した慶太は、自らの所蔵品を広く公開する美術館の設立を宿願とし、精力的にその準備を進めていきました。
残念ながら慶太自身は、完成した美術館を目にすることなく世を去りましたが、武蔵野の豊かな自然を残す庭園の景観も含め、「五島慶太の目を通しての美」を現在に伝えています。