26 美術館の茶室で抹茶を飲んでみよう!
「五島美術館」では、展覧会を年間6~7回開催し、優品展では、さまざまな館蔵品を紹介しています。今回のプログラムでは美術館の庭園にある茶室で茶道を体験。また、展示室で館蔵の茶道具コレクションを見学しました。日本の「伝統」や「美」について学ぶ、よい機会になったようです。
- 日時
- 2023年12月23日(土)14:00~16:00
- 会場
- 五島美術館
- 最寄駅
- 大井町線上野毛駅
- 主な内容
- 茶道体験
- 募集人数
- 10組20名(小学校4~6年生のみ対象)
抹茶を飲む前に、茶道の奥深さを知っておこう
抹茶を飲む前に、茶道の奥深さを知っておこう
お客さまを招いて、抹茶をたて、おすすめするのが「茶の湯」です。まず五島美術館別館の講堂に集まった子どもたちは、スクリーンに映し出された画像を見ながら、お茶の種類、抹茶には二種類(濃茶・薄茶)あること、「茶の湯」とは何か、いろいろな茶道具などのお話を聞きました。
茶道を知ることで、日本の文化について理解を深めることができ、四季折々の自然の豊かさや、日本の美術品を味わえるようになります。だからこそ茶道は「総合芸術」なのだと知り、子どもたちは少し驚いた様子でした。
厳かな茶室で、季節のお菓子と「茶の湯」を堪能
茶道の基本を学んだ子どもたちは、国の登録有形文化財にも指定されている茶室「古経楼(こきょうろう)」へと移動します。茶室への小さな入り口を、腰をかがめてスムーズに入った子どもたちは、床の掛け軸や花入を鑑賞して一礼をした後、広々とした茶室へ。
茶室を囲むように全員が座したら、まず季節のお菓子が振る舞われました。続いて和装の学芸員のお点前による「茶の湯」を楽しみます。伝統的な礼儀作法、美しい所作を目で追いながら、きりりとした表情でお茶を楽しむ子どもたち。おやおや、何人かは足が痺れたようですよ。
子から親へ、親から子へ、自分でたてた抹茶をどうぞ
今度は五島美術館別館のロビーへと移動し、いよいよ自分たちでお茶をたてる番になりました。まずは子どもから親へ「茶の湯」を振る舞います。先生から道具の使い方を教えてもらいながら、茶杓(ちゃしゃく)で抹茶をお茶碗に入れ、お湯を注ぎ、茶せんでかき混ぜたら、泡立った抹茶の完成です。そして次は、親から子どもへ。実際に自分でたててみて、「簡単そうで難しいね」「こんなにおいしかったんだ」といろいろな感想が飛び交っていました。
解散時に、お菓子を置くための「懐紙(かいし)」をお土産にもらった子どもたちは、日本の伝統文化にあらためて興味を抱いた様子でした。
参加してくれた
子どもたちの声
参加してくれた
ご家族の声
担当者の声
今回のプログラムは子どもたちにとって初めて経験することばかりだったと思いますが、だんだんと場になじんでいく様子が分かり、とてもうれしく感じました。お茶や畳の作法など、身近だけれど本質の部分を知らなかったこともあったでしょう。そうしたところも、より身近に感じてもらえたと思います。茶道には、お茶だけでなく、場を楽しんでいただくという側面もあります。今日の体験から、他の人を思いやる気持ちを育み、日本の心を大切にできる大人になってもらえたらうれしいですね。
(五島美術館 学芸員 下山)