第11回とうきゅうキッズプログラム

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美術館の茶室で抹茶を飲んでみよう!

五島美術館

五島美術館」では、展覧会を年間6~7回開催し、春と秋の名品展では、さまざまな代表作品を紹介しています。今回のプログラムでは美術館の庭園にある茶室で茶道を体験。また、展示室で館蔵の茶道具コレクションを見学しました。日本の「伝統」や「美」について学ぶ、よい機会になったようです。

 茶道体験
日時
2017年12月17日(日)14:00~16:00
会場
五島美術館
最寄駅
大井町線上野毛駅
主な内容
茶道体験
募集人数
10組20名(小学校4~6年生のみ対象)

「茶の湯」ってなんだろう? もっと深く知ろう

「茶の湯」について学ぶ

今日は、五島美術館の庭園内にある、国の登録有形文化財にも指定されている茶室「古経楼(こきょうろう)」で、本格的な茶道体験をします。最初に、美術館の講堂で学芸員がスライドを使って茶の湯について説明してくれました。今のような茶道(茶の湯)が始まったのは、およそ500年前の室町時代から。釜や茶碗のほかにもたくさんの種類の茶道具があり、陶磁器や漆工品、金属器などさまざまな素材のものが使われているそうです。茶の湯は、着物や茶室の飾りつけ、茶道具といった、日本の文化や美術品を知ることができる「総合芸術」だと教えてもらいました。

歴史ある茶室でお茶とお菓子をいただく

茶室でお茶とお菓子をいただく

基礎知識を学んだら、茶室「古経楼」に移動して実際に茶道を体験します。茶室の前では、「にじり口」と呼ばれる狭い入口から、正座をしたままにじるようにして室内に入る作法を教わりました。茶室に入ったら、床の間の掛け軸や花を鑑賞して一礼をします。みんなが茶室に揃ったところで、「ゆず餅」というお菓子がふるまわれました。続いて、和装の学芸員の本格的なお点前によりお茶を楽しみます。茶道の先生や学芸員の美しい所作を目の前で見て、子どもたちは自然と正しい姿勢になりました。茶道の伝統的な礼儀作法について、より理解が深まったようです。

お父さんやお母さんにお茶をふるまってみよう

お茶をふるまってみよう

次は美術館の別館ロビーに移り、自分たちでお茶をたてる体験です。親子でペアになり、子どもは親へ、親は子どもへと、お互いにお茶をふるまいます。茶道の先生や学芸員に道具の使い方を教えてもらい、丁寧にお茶をたてる子どもたち。最初は照れくさそうだった子も、お菓子をいただき、親子でお茶を楽しむうちに、次第に笑顔へと変わっていきます。慣れない体験でしたが、みんな上手にお茶をたてることができました。
茶道体験のあとは、美術館で開催中の展覧会を見学。日本の伝統文化にふれる貴重な体験となりました。

参加してくれた
子どもたちの声

お茶をたてたとき、一番の特等席に座れて、おいしいお茶をいただけて、楽しかったです。(小学4年生 男の子)
いつもは飲めない抹茶を飲むことができ、心を落ち着かせられました。(小学5年生 女の子)

参加してくれた
ご家族の声

ふだん体験できないような和文化に接することができ、スタッフの方も皆さん、とても親切でした。
堅苦しくなく、和やかな雰囲気で楽しめました。

担当者の声

五島美術館 担当者

今日は緊張していたお子さまも多く見られましたが、体験の最後には背筋がスッと伸び、親子でにこやかにお茶を楽しむ姿が印象的でした。どれも真心のこもったきれいなお点前でしたね。住宅から和室が消えつつある昨今、畳の上に座ったことのないお子さまも多いと聞きます。歴史のある茶室で茶道を体験することで、日本の伝統文化についてあらためて考えるきっかけになればと思います。
(五島美術館 学芸員 福島)