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〈東京都市大学〉

地域でウミガメの産卵地を守る。
持続可能な未来への第一歩です。

静岡県下田市の沿岸域は、その恵まれた自然環境から、
絶滅危惧種であるアカウミガメの産卵地になっています。
東京都市大学環境学部 田中章研究室(横浜キャンパス)では、
多くの市民の皆さまにこの事実を知ってもらい保全につなげるために、
様々な活動を地元との協働で行っています。こうした活動は、
持続可能な形で健全な生態系を守っていくために必要な、
新しい産業の育成や地域の活性化に大きく貢献する
仕組みづくりにもつながっています。

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静岡県下田市の沿岸域は、砂中温度や砂浜の奥行などの諸条件が良好なことから、世界的に見ても生息数が少ないアカウミガメの産卵地となっています。実践的な教育・研究を通じ、環境問題の解決に貢献できる人物の育成を図る東京都市大学環境学部の田中章研究室(横浜キャンパス)では、この産卵地を守るための研究活動を続けています。

そのきっかけとなったのは、2011年に研究室の学生が下田市の入田浜を訪れた際に、砂浜でアカウミガメの稚ガメが、海とは反対方向にある自動販売機の光に引き寄せられ、海に帰れない現状を目の当たりにしたことでした。アカウミガメに対し何ができるかを考えた田中章研究室は、地元高校生と共同で海浜環境調査を実施、野生生物のハビタット(生息地)としての適性度評価手法に関する研究を進めました。その上で、下田の海がアカウミガメにとっての故郷であることを、市民をはじめ多くの方々に知ってもらい、産卵地保全の意識を高めようと、周知ポスターや看板などを設置。さらに、環境調査や研究成果の発表を兼ねて、毎年夏下田市において、下田市、静岡県、環境省、伊豆半島ジオパーク協会、日本ウミガメ協議会、下田海中水族館、地元NPOなどとともに、伊豆急行などの東急グループ企業や地元企業の協賛を得て、一般市民を対象にした勉強会を継続して実施しています。

絶滅危惧種であるアカウミガメをシンボルにしたこの勉強会は、沿岸域の生態系を保全するための地域社会の連携による自主的かつ具体的な活動を促すことを目的としています。こうした一連の環境活動は、東急グループの企業と、地元企業、地元行政、各種団体、市民が地域で手を取り合い、生態系保全とともに新しい産業の育成など地域経済の活性化に貢献する「里海バンキング」という仕組みづくりにもつながります。そして私たちは、この里海バンキングのパイロット事業を形にすることは、下田市沿岸地域のみならず、地球全体の生態多様性を保全するうえでの実質的な推進力となり、持続可能な未来の姿を考えるための一つの足がかりになるものだと考えています。多様な生き物が人間社会と持続的に共生できる里海の実現へ、日本発の新しい生物多様性保全への取り組みをこれからも進めていきます。



アカウミガメの稚ガメの写真


砂浜に設置した看板


自然環境保全に関するワークショップ(勉強会)開催の告知


南伊豆町の弓ヶ浜に設置された看板


下田市での里海バンキングのモデル図

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