

「狂言ってどんなものだろう?」という好奇心を満たしてくれる体験プログラムが、渋谷のセルリアンタワー能楽堂で開催されました。同施設では、日本の伝統文化である能や狂言などの公演を開催しています。今回、子どもたちに狂言を教えてくれたのは、能楽師狂言方大藏流の大藏基誠先生とお弟子さん。そしてお手伝いしてくれたのは、多摩大学村山ゼミ「日本大好きプロジェクト」のお兄さんお姉さんたち。狂言を間近で見たり演じたり、めったにできない体験に、みんなワクワクしどおしのイベントとなりました。
能や狂言の歴史について教わったあと、大藏先生による狂言『盆山(ぼんさん)』を鑑賞。盆山(盆の上に自然の風景をつくって楽しむもの。盆栽もその一つ)を盗みに入った男が家主に見つかり、動物のふりをして逃げようとする楽しい演目です。盗人の正体に気づいた家主にからかわれているとは知らず、盗人はさまざまな動物の鳴きまねをします。おもしろいやりとりに子どもたちからは笑い声が。セリフは難しくても「笑いのツボ」はしっかり感じ取ることができました。
鑑賞のあとは、足袋をはいて舞台裏の探検です。楽屋や衣装に着替える部屋などを見学し、舞台につながる「鏡の間」では、演じ手が登場や退場をする際にくぐる幕の上げ下げを体験。能舞台では狂言の成り立ちや、なぜ室内の舞台に屋根があるのかなど、いろいろな話を伺いました。一人前の狂言役者として舞台に立つまでに最低10年はかかると聞いて、子どもたちはびっくりした様子です。
最後は狂言体験です。まず、立ち方や歩き方、笑う・泣く・怒るといった基本の表現を習いました。そして演目『菌(くさびら)』に挑戦です。屋敷内に生えた大きなキノコの駆除を頼まれた山伏の物語で、山伏が祈祷を始めると、なぜかますます増えるキノコたちを子どもたちが演じます。「ほい!ほい!」と言いながら舞台に登場し、中腰で歩きまわったり、飛び跳ねたり。その様子に、客席のお父さんやお母さんからは笑いと拍手が起こります。最後に先生たちと一緒に、「わーはっはっ」と大きな声で笑う“狂言の笑い顔”で記念撮影を行いました。
初めての狂言だったので緊張したのですが、楽しくおもしろかったです。(小学2年生 男の子)
狂言は最初に思っていたイメージと違って楽しかったです。キノコの役ができてうれしかったです。(小学3年生 男の子)
基本的な事から、とてもわかりやすく教えていただいたので、遠く感じていた狂言の世界が親しみやすくなりました。子どもたちが飽きることなく夢中で参加できたと思います。丁寧にご教授いただき、感謝申しあげます。
普段ほとんど接する機会がない能楽堂を表も裏もすべてじっくり拝見できてよかったです。子どもは細かいところは難しいと思いますが、おもしろさは感じたようです。楽しい企画をありがとうございました。
能楽堂での狂言体験は今年で3回目ですが、子どもたちがとても楽しんでくれている姿が見られてうれしく思っています。数時間という限られた中で狂言の世界を知ってもらうのは大変ですが、子どもたちは素直に受け入れてくれているようです。難しく考えず、声を出したり、身体を使ったりなど、実際の体験を通していろいろ感じ取ってもらうのは大事なことだと思いました。今後もできる限り続けていきたいと思っています。
(セルリアンタワー能楽堂 マネジャー 宇田)